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心斎橋名物「重村画伯」

2017.04.03

会うたびに遺影を撮ってくれと言う心斎橋の老舗茶屋宇治園の重村さん、80歳。

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年に一回ハワイでしか髪を切らない(それもペットトリマーにたのむ、理由は日本の1000円散髪より安いから)、夏のおばけ屋敷で脅かしに来たゾンビを脅かしたり、二世帯住宅なのに『食が細いアンタと食べても美味しくない』という理由で奥さんは娘家族の元で食事をするようになり、最近困っていることは、たまたま『一緒に食べよー』と遊びに来た孫に嬉しさのあまり百貨店商品券を渡すと他の孫たちも商品券目当てに続々と訪れるようになったことだそう。


社内の会議に出席しても横文字ばかりで理解が追いつかず異議を唱える手前でつまづいていることが辛いと言うので『私が教えますよ!例えば何ですか?』というと『ほな、ダウンロードって何や』と言った。
そこからか、と思った。


ある日、スマホの調子が悪いが、ドコモのお姉ちゃんが難しい事ばかり言うから通訳してほしいというので付き添った。
『内部の故障なのでアップルで1度みてもらってください』と言われた重村さんは、
『わしはりんごよりミカンが好きや!』と大声で言った。お姉さんは笑ってもくれなかった。


同日、足が痛いと言うので足元を見ると、かまぼこ板の2倍くらいの厚みの木片が靴の中(土踏まずの下)から出てきた。
そんなもの入れてるからでしょ!と、土踏まずのところが膨らんだインソールを買って持って行くと、『すまんのぅ!』と言いながら入れ替えるも、『やっぱりそれがいる!』と木片を取り返し、また靴の中に入れた。


そんな重村さんが、描き続けている風景画はピンクが特徴的。

セーヌ川、モンサンミッシェル、ニューヨーク、など実際に訪れたのかはわからないが、どの街も、早朝なのか夕暮れなのか、一瞬ピンクに染まる瞬間があるのかもしれないと思わせるような息をのむ美しさがある。


人物画は左右均等に整っている美男美女ほど難しいらしく、ハリウッドスターの似顔絵はとんでもなく似ていない。
とんでもなく似ていないことを大いに自覚しているからか、絵の中にデカデカと名前を書く癖がある。


本人曰く、『下書きの段階ではイケてるのに色塗るとあかんねん、ワシ。』だそうで、昨年いただいた私の似顔絵は色ぬり途中の未完成感がなんとも味のある一枚であった。


重村さんの実娘(三女)さんの『他人だったらおオモロイおじいちゃんやったのに、私の父であったことが不幸でした。』という名言が、重村さんのすべてを表しているようで私はとても気に入っている。

私が初めて遺影を撮ったのは約5年前。

毎年更新しているそれを眺めていると、年々若返っているようにさえ思う。
若い頃に肺結核を患い(胃液を取るのが苦しいので、検疫容器にバターを入れて看護師を困らせたりもした)、一度命の危険を感じたとき、気持ちの焦りともどかしさがあったらしいが、トルストイの『疲れたら休めばいいさ。友はそう遠くは行くまい。』という言葉に出会い、救われたらしい。

どこまでも我が道を進む、80歳。
そんな重村画伯の個展「風ニ吹カレテ」が、明日まで大丸心斎橋店北舘12階の画廊で開催中です。

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無題
是非、訪れてみてください。
画伯も期間中は在廊されているとのことです。
まん中のテーブルの上にある、小さなノートが面白かったです。
個展は、明日4日まで。

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http://www.daimaru.co.jp/shinsaibashi/art_event/index1.html